田嶋雅己監督に来ていただいて のとじょ達で観た映画は 「失われた春」副題に(しいたけの教え)という題がついていました。 阿武隈山地でシイタケ栽培をしていた人たちが、2011年の福島の原発事故で、突然降りかかった見えない放射能に汚染された原木、そして高レベルが検出され続けるシイタケ・・。その中で何年も、何とか出荷できるものへと見えないものと闘い続ける日々を追ったものでした
スチールカメラマンである田嶋さんの映像は、揺れる若葉やなびく稲穂や 引き込まれる阿武隈の景色と対照的に・・・棄てられた原木、荒れてゆくシイタケのほだ場・・そして出荷できない中で苦悩を続ける人達の表情に引き込まれます
生業を破壊し、希望のない戦いを何年も繰り返さざるを得ない生活を強いた大きな力は、責任も取らずになおさらの絶望を押し付けるばかりの中で 里山で暮らす人たちが 50年、100年経とうとも・・いつかは‥と願う人たちと 元へ戻れるのだろうかとの問いかけが切なかったです
バンダナを撒いた田嶋監督がお一人で、撮影・編集されたこの映画は コロナにぶつかり、公開してもまだまだ知られることの少ない作品ですが 放射能の克服できない無残さが伝わります。もっと多くの方たちに観てほしいと思いました。
