小学校の頃、おてんばだった私の遊び場は、カンサマ(お宮さん)と手取川だった。夏の暑い盛り、低学年のころは大きい学年の後をついて・・高学年になったら、小さい子たちと、草いきれの丈高い草をかき分けて、熱い中、堤防を登った。
うねりながら流れる時期と違って、夏場は大きなプールのような水たまりがいくつもある手取川だった。 生あったかいその中は 苦労しながら歩いて来るかいのある別世界だった。大きなニジマスがスーイと横をすり抜ける中で、何時間も・・毎日のように通ったことだった。
炎天下の中、赤い合歓(ネム)の花が重そうに 堤防の土手に何本も咲いていた。
今年、 手の入らなくなった里山に、異常なくらいにネムの花が多い。近くの山も、たどる里山海道も、見事なほどに淡いピンクから,濃いえんじ色まで、重いくらいに花をつけたネムの木が連なっている。懐かしい風情の花の近しさと、でもあまりに多い群生は異様な雰囲気さえ覚えてしまう。 嬉しいことだけれど、やはり 何か変?


