満蒙開拓と福島津島の 国策による棄民の歴史の挿絵を・・・との依頼を受けて 私でいいのだろうか? 大きな歴史の苦しみを表すことが出来るだろうか、経験のない者が手がけてもよいのだろうか・・と迷いながらも いろんな本を読んでの詳しい事実に圧倒される気持ちが募った事だった。夢見て満州へ渡った方達が投げ込まれた極寒の寒さと飢えと放浪と、国家が棄て去った人たちの苦しみは、隠されていることが多すぎる日本の国の姿勢そのものだった。

福島の津島で 山奥を案内してくださった原告団の方たちの苦しみも 他人ごとではなかった。  ある日突然何も持たないままに故郷から追われ・・そのまま帰宅困難地域になった放射能のたまり場となった故郷。   ただただ帰りたいと願い続ける方たちの血を吐くような思いはもう15年も続いているのに   誰も責任を取らないまま  子ども達を被曝させてしまった悲しみは、決してその地に住む人たちのせいではないのに

絵本というには重すぎる歴史と苦しみは ちいさな子ども達には近寄りにくいものになってしまったと思うのだけれど、絵も文章も その子たちを育てる若い人たちや知らないままに今の豊かさが当たり前と思う私たちこそが知らなければ・・と思う気持ちで  4年近く向き合ってきたことだった。

同じ思いで本の出版を続けておられる出版社さんとの出会いも大きなことだった。 文章と 絵と 本の形と、 伝えなければ‥という3者の願いの絵本は 校正を重ねてもうすぐ印刷に入るところで  今の戦争で ホルムズ海峡の封鎖に伴う資材不足から、印刷費の高騰の前に立ち止まらざるを得なくなっているのだけれど・・こんなに長い時間をかけたのだもの・・少しでも知ってほしいと願うそれぞれのの種の芽が出ますように