明け方 薄暗闇の中から ピー・ピー・・と 口笛を吹くような音が 遠くから聞こえる。 最初聞いたときは不気味だった。 けれど、これはむかしから ヌエとしておそれられたが,鳥の声だと聞いてから、妙に郷愁を誘うような声が 近しく感ぜられるようになった。
今朝は 濃い霧だった。晴れるにしたがって、椿の木にあふれるほどにつけていた 大輪の赤い花がますます鮮やかに・・ そうして 新芽の緑が 陽にきらめいている
今、良い季節の中でありながら そこいらじゅうが コロナで どこまで・・いつまで・・これからどうなってゆくのか・・ 重い不安感に打ちのめされている。
福島の友人からの便りの中に、今の皆さんの閉そく感、やりきれなさが、そのまま9年前の福島県民の気持ちです・・・ とあって、・・・9年間・・・耐え続け、もがき続ける長い年月が じーんと 身に沁みる言葉だった。
濃い霧が ぱっと晴れたら・・・そこに ・・新しい風景が広がっているような・・そんな方向を探して行けたら・・・思いながらの、新緑の季節の入り口の朝だった。