今から10数年前・・、イラク戦争・・孫が生まれたこと・・その時々の思いを、着物の仕事の傍らで、なんとか時間を作ってでも、染めたいと思うようになりました。 一つ染め上げると、また・次から 次へと・・ 友禅作家としての着物の仕事は忙しかったのですが、もう少し、心に思うことを染で表現したい―――という気持ちがだんだん強くなっていって 仕事の遅い不器用者は、お世話になった方たちや、大切にしてくださった団体の方たちに申し訳なく思いながらも、30年余り守ってくれていたところから離れ、何かを探してゆきたい思いが抑えられませんでした
自分勝手な選択に、非難されて当然・・と覚悟しての脇道でしたが、仕事の工程で、同じ思いで支えてくれる仲間がいてくれて、皆に力をもらいながら・・命のことや平和のことや子供たちの希望のことを・・私たちが次の世代につなげてゆかねばならないことを思う、様々な方たちといっぱいに出会うことができました。 それは 世間知らずで、話すことも苦手だった自分には考えられないことでした。 嬉しいこと、 哀しみや、怒り・・・手探りの 染絵は その時々の思いで、一つ一つ描きあげて消化できて・・の、繰り返しでした。
脇道の染絵が、小さな言葉を持たせてもらえて・・ ほんの、ほんの小さなできることがあったこと・・
・・・・・よかった・・・・