ザックザックと後ろの山道を歩く 元旦の雪は重い雪で、そこかしこに折れた木が横たわっている。  犬のカンタは 雪が嬉しくって ウサギの足跡に興奮し、野ネズミのにおいに狂気のように穴を掘り 飛び出した雉の親子の羽ばたきに、思いっきり追いかけて、離すまいとする飼い主を雪の上にひっくり返す勢いだ。拾われてきてもう2年目の春を迎えて 屋根雪の音に飛び上がる臆病さは変わっていないけれど、体はだいぶん大きくなってきた。

隣の娘夫婦の家の煙突からは 薪の煙が白く上がっている。 コロナ下でも 息子たちも皆で顔を合わせ、にぎやかだった元日も終えて、朝日に輝く雪がまぶしい。夫の仕事場にも 私の仕事場にも お餅を供えて,新しい年、 何が生まれてくれるだろう・・      

風の谷にナウシカの7冊の本を改めて読んで、毒マスクをしなければ暮らせない生活が 架空のものではない恐れを感じてしまう。 あらゆるものが警鐘を鳴らし、それでも命をつなごうとしてゆく種と 追いつめて行きかねない今の世界の難しさを思う。想像もできない速さで変わってゆく揺れる社会の中で子どもたちの未来の待っているものは何なのだろう

笑顔うむ しあわせ願う 明日紡ぐ子に