稲穂のにおいの風が渡る。 昔 学校から帰ると ちゃぶ台の上に 今日はどこそこの田んぼ・・と書かれた紙があって、その田んぼに直行したことだった。 ほとんど一人で田んぼをしていた母の手伝いに重要な担い手で ”あらーはやいなーーー手伝ってくれてうれしや――と、うまい母のほめ言葉に バッタのように飛びはねつつ 稲を束にしていた。 蔓まくりのスイカやウリが 小川で冷やされていて,草の栓をしたヤカンのお茶を蓋に受けて飲んだものだった。 母の汗のにおいと、乾いた稲の何とも言えない香りと、体中のはしかさと 雨がふりそうな日の時間との競争と・・・・切り株の上をはだしで走り回っていた。 彼岸花と畔豆とハッカの草の香りと・・ 丈夫な体は田んぼ仕事で、根っこができたのかも
大津川土手にヒガンバナが、もうすぐ咲きそろう 今は 田んぼ仕事もなく、楽だけれど・・ 稲穂のにおいがすると 何となく懐かしい

