紫花菜

5月の月は 父の20年・・そして
母の7年の命日の月です。
あまりにも突然の事故で逝ってしまった母、どこかでこの年月、
思い出につながることに蓋をするような気持ちで過ごしてきたように思います。
が、先日 墓参りの折に、実家近くに住んでいる同級生のお母さん達を
訪ねることがようやくできました。
年を重ねながらも、昔と変わらずに元気に話されるご様子や、
また 私のことも心配し気にかけていてくださっている方の温かさに
止めようもなく眼がしらが熱くなり
思わずハグをさせていただいた時に 母と同じ香りに包みこまれました。
弟夫婦との同居に甘えてばかりで
いつ母のところへ行っても、
追いかけられているような仕事優先で、駆け抜けていくような娘は
帰る折、” 慌ただしくてごめんね、また来るね”と
母をギュっと抱き締めずには居られませんでした。
母は苦笑しつつも 口癖の”まことにまことに”と繰り返し、いつまでも手を振り続けてくれました
自分が年を重ねて、様々に思い出すことが多くなってきました。
自分勝手で、足りぬことばかりの頑固で融通の利かぬ娘を
自分のことよりも、ひたすら気遣い続けてくれていた母・・・
苦労の多かった様々の日々の中でも、絶やさなかった母の笑顔の大きさ、
”母ちゃん・・・・”
及びもつかぬ深さは、時を経るほどに、詫びたいことばかり思い起こされます。
遠くの林で鮮やかに 思いを掻き立てるように
”きゅるるるるーーーきょろろろろーーー”とアカショウビンの声が響き渡っています。
緑がすっかり深くなって来ました。