次は何をしようかなー

鳥になって・・

暦はよくしたもので、啓蟄前後数日間、カエルの声がにぎやかだった。
まだ冬にも思う寒さの中、小さな春のその日を、どうして感じられるのだろう
一斉に土の中から這い出てきて、相手を探す泥田の中は
もにょもにょ波立ち、ラブコールは そこいらじゅうに響いていた。
人も、外仕事に動き出す季節となり、
哲・ジジは 孫を相手にツリーハウスにかかりだした。
暗く茂っていた立ち木を伐採し数本残し、家の土台にして
丸太に刻みを入れて階段を造る仕事を孫たちと一緒にの1日・・
賑やかな様子に子供たちの母、真樹子も参加・・・
そして,子供たちの父・明弘も・・・で・・
”1番喜んでいたのは、明弘さんかも…” と、娘が笑った。
”切り株の高いところでずーっと立っとるんよ・・”
”山でなくってもこんな高いところがあったんだって・・”
留守にしていたババは その情景を聞き、写真を見せてもらって、
なんかほっこりしてしまった。
いろいろな仕事を抱えて、詰まっていた時に
アキさんは、山へ行った感動をその切り株で味わえてたんだ・・
ちょっぴりの高さだったけれど 彼にとって、
なんか解放してくれるとてもいい高さだったんだ・・・
鳥が大好きで 沈金で表現する生きているかのような緻密な鳥たちと
きっと一緒に羽ばたいていたんだ・・・
私たちと、娘と、息子が 
おんなじ空気を吸っていられる場所が何か嬉しかった・・。
変わっている家族と笑われてもいいや
春・・ 
みんなの心がもぞもぞと 創造にむかってうごめいていた。