正面

裏側

20代の頃は取り付かれたように山登りに明け暮れていました。そこで目にした数々の光景は今でも脳裏に焼きついていますが、中でも逆光に輝き透ける木々の葉は原風景として強烈に印象に残っています。
輪島漆芸技術研修所の生徒だった頃から何とかこれを沈金で表現したいと何度も挑んでは返り討ちにあってきました。この作品でも性懲りもなくこの「葉っぱ」に挑んでしまいました。どうやら一生の付き合いになりそうな気がしています。
主役はセンダイムシクイで鳴き声が「焼酎一杯グイー」と聞こえる、とても親近感のわく鳥です。山登りの途中、森の木漏れ日の中突然目の前に出くわした時の驚きと感動を思い出しながら作りました。