シイタケ・植菌 クヌギの木

あんなに降り積もり、閉ざされていたじゃり道も
2月の終わり、春の光の中で
あっという間に雪が融けてきました。
嬉しげな木々達、さえずる小鳥達の声も、こらえきれない喜びがあふれているようです。
めぐってきた季節は この身体の中から いのちの気配もむくむくと脈打って・・
やっぱり,太古からのDNAは同じくしっかりと ながれているようで、
待ちかねた春・・・光の中で、両手を高く空に差し出したい気持ちです。
晴れ渡った久しぶりの青空を 北帰行の白鳥の群れが今年も渡ってゆきました。
クァー、クァー・・の声に昨年と同じように、庭へ飛び出します。
連なる編隊は 日の光を受けながら
白く輝くように、一列や、V(ブイ)の字になって北を目指して飛んでゆきます。
いつも見る度に、自分の体のどこか一部分も羽ばたきながら、どきどきと憧れるように、
そしてこれからの長い旅の無事を祈る気持ちでいっぱいになります。
伸びてきたクヌギの樹を夫が切り出したものに、シイタケの菌を植えました
1メートル余りの様々な太さの原木にドリルで穴をあけ、
種駒を 木槌で埋めこんでゆきます。
今はいない母は 実家の辺りで最初にシイタケ栽培に取り組んだ人でした。
朝の4時ごろから、夜は10時過ぎまで
ひたすら働いた母でした。
辛い仕事の中で、様々な困難を乗り越えながらも絶やさなかった母の笑顔に
どれだけ守られてきたことか・・・
同じ年をたどりながら、到底返すことのかなわぬ大きな愛情が、
一つ一つ絵解きのようによぎってゆきます。
しだれ桜にかかっていた枝が取り払われて、
日当たりが良くなりました。
来年は長く枝をのばしてくれそうです。