つなぎあう

芸術館前庭より

トラックの荷台に、詰め込めるだけの荷物を満載して
洞爺湖を出発しました。
9月8日から10月8日まで・・一か月
洞爺湖芸術館の特別展は 
地震に、台風に翻弄され、ハラハラの中、お客様は少なめでしたが
遠くから、近くから、訪れてくださった方々の温かさがいっぱいでした。
静かに水をたたえ、時間ごとに表情を変える洞爺湖・・・
差し込む光や、輝く雲や、渡る風、周囲に続く道・・・
そこで、丁寧に日々を過ごしておられる方達・・・
遠路をものともせず、不安定な天候を超えてくださった方達・・
静かないたわりの中で、別の時間が流れているような場所でした。
前回もしみじみ思ったことでしたが
私達は 多くの方達に、お会いでき、お気持ちをいただき続け・・
能登の名もない創り人がこんなに多くをいただいてよいのだろうかと
終始思い続けた感謝の日々でした。
展示した作品の中で
1年あまり試行錯誤を繰り返しながら染め上げた、”つなぎあう” という2枚の染め絵は
4年前に感じた同じような気持ちの中で、人と人との出会いや
時や場所を超えたつながりの不思議さを染めずにはいられなかったものです。
今回も同じような温かさの中にいて、自分の思いとそして一緒に作りあげた仲間達そのものが
居させてもらう場所はここなのでは・・と思い立ち
もしお邪魔でなかったら・・と申し出て、受けていただけて・・
はるか遠くの地に、つなぎあえている場所がある・・と・
洞爺湖におられるという女神様に守られているような気持ちです
洞爺から 羊蹄山のすそ野を回り、倶知安、忍路(おしょろ)小樽へと・・
いつのまにかの紅葉に変わった延々と続く道を
もう1度この道を通ることはあるだろうか?・・いやきっと・・と思いながら、
フェリーに乗り込み、新潟から、富山、石川・能登へと・・
重い荷物に耐えながら、トラックも、ひたすら走り続けてくれました。
すべてを終えて、胸の内は ほっこり 静かに満たされています。